日刊テラフォー
国民皆保険制度もお茶会しだい? 米国で政治ネットワーク「ティーパーティ」が台頭 日刊テラフォー
事件
経済・IT
スポーツ
アニメ・ゲーム
生活・文化
芸能
おもしろ動画
画像
タレこみ情報





「ティーパーティ」の抗議集会の様子(コネチカット州・ハートフォード)

 2月に入り、米国では11月に行われる中間選挙の予備選が本格化している。こうした中、米国中の耳目を集めているのが「ティーパーティ」(*1)だ。ティーパーティとは、保守系政治団体によって組織されたゆるやかなネットワーク、およびその草の根運動を指す。複数組織のネットワークであるため、必ずしも同じ意見をもつとは限らないが、彼らの多くは減税や財政規律を重視し、オバマ政権の目玉のひとつである医療保険制度改革に反対する。「国民皆保険制度は社会主義化への第一歩」であるため、「自由の国アメリカ」には必要ないという。

 ホワイトハウス周辺で催された皆保険制度反対者の集会では、旧ソ連の国旗にして社会主義のシンボルである鎌と槌を交差させた意匠とオバマをデフォルメしたプラカードを持ち、「アメリカに皆保険制度はいらない」「アメリカは社会主義国ではない」などとシュプレヒコールを上げる姿があった。

(*1)1773年に発生した「ボストン茶会事件」(Boston Tea Party)になぞらえたもの。当時、英国の植民地であった米国東部13州は、英国から税金を課せられながらも、自ら選んだ代議士をロンドンの英国議会へ送ることは許されていなかった。こうした不平等に怒りを爆発させた民衆は、「代表なくして課税なし」をスローガンに独立へと邁進していく。その独立戦争前夜に起こったのが「ボストン茶会事件」だった。不平等政策に鬱憤を爆発させた民衆は、港に停泊中の船から、英国・東インド会社の積荷である紅茶箱をボストン湾に次々と投棄していった。


 
真の先進国とは?

 だが、これも米国人が陥りやすいトリックだろう。米国人は往々にして国内問題にしか目を向けない。何においても米国がベストだと認識しているからだ。自国へ向ける関心の1パーセントでも海外に向ければ、先進国の大半は皆保険制度を導入しており、なおかつ医療費は無償か、無償でなくても償還などの制度を用いて低負担となっていることが分かるだろう。むろん、ここでいう先進国とは「社会主義国」ではない。

 また、一部の保守派は皆保険制度を槍玉にあげ、「どうして自分たちが、貧乏人の保険の面倒までみなくてはならないのか」と難じる。おそらくこれは、皆保険反対者に共通する意識なのだろう。「金持ちは努力の成果で、貧困は怠惰の結果。貧乏人が病気になろうと知ったことではない」と。コラムニストの町山智浩氏も指摘するように、米国以外の先進国では、持てる者が持たざる者の分を補填する、すなわち「富の再分配」が常識となっているのだが。

 人口約3億1000万の米国において、無保険者は約4700万人。そして、乳幼児の死亡率は先進国中第1位。これも無保険がもたらす悲劇のひとつだ。無保険者は莫大な医療費を恐れて、子供を病院に連れていけないのである。
 こうした現実がある以上、公的保険制度の整備は急務だが、やはり反対勢力の圧力はすさまじかった。当初の皆保険制度は妥協に妥協を重ね、いつしか公的保険か民間保険のいずれかに加入することを義務づける方向でまとまった。しかしその後、公的保険は議論の俎上から消えつつあり、それに代わって民間保険への加入を義務化するという苦肉の策が現実味を帯びてきている。

 
お茶会で名誉挽回

 一方、「ティーパーティ」なる政治運動を一大チャンスとみる人物がいた。いや、シンボリックな存在と言うべきだろうか。08年の米大統領選の副大統領候補として一躍名を馳せた、前アラスカ州知事のサラ・ペイリン氏だ。


 保守の牙城、南部テネシー州で催されたティーパーティの全国大会で演説したペイリン氏は、オバマの政策をひととおり批判。そのうえで、マサチューセッツ州連邦上院議員補欠選挙で共和党のスコット・ブラウン氏が選出されたことは、保守政権奪還の良い兆しであるとし、「新たな革命の準備はできている。皆さんはその一部だ」と聴衆に呼びかけた。

 ティーパーティが注目を集めたきっかけは、このブラウン氏の当選にあるとされる。同氏は当初、リベラルの牙城・マサチューセッツで苦戦を強いられていたが、州内外から駆けつけたティーパーティ関係者の応援が一助となり、議席を獲得するに至った。



<スコット・ブラウン氏。上が現在の姿。下は、女性ファッション誌「COSMOPOLITAN」のモデルを務めたときのものだ。大学時代は法律を勉強するかたわら、モデルも務めていたという>

 ところで、ペイリン氏といえば、08年の大統領選後に発覚した「NAFTA発言」や「アフリカ発言」を思い出される向きも多いだろう。NAFTA発言とは、ペイリン氏が副大統領候補であったにもかかわらず、NAFTA(北米自由貿易協定)の加盟国を知らなかったというものだ。ちなみに、NAFTAの加盟国は、カナダ、米国、メキシコの3カ国である。翻って「アフリカ発言」とは、アフリカを大陸ではなく1つの国と認識していたというもの。

 これらの情報は、大統領選で共に戦ったマケイン陣営がリークしたとされ、いわば「あのバカのせいで自分は負けた」という責任転嫁のための措置だったともいわれる。だが、責任転嫁のリークだったわりに、ペイリン氏は「フェアじゃない」「言葉尻をとられた」と憤慨するだけで、発言自体は否定していない。やはり火のないところに煙は立たないのだろうか。

 ペイリン氏は前出の全国大会で、オバマの外交政策を批判した。それも、オバマは敵との対話が多すぎるから、もっと強い姿勢を示せというのだ。覇権国たるもの、常にトップに君臨して権威を示し、常に世界を牛耳らなくてはならないのだろう。そこに対話の余地はない。だが、世界を牛耳るのであれば、せめて貿易相手国の隣国ぐらい覚えてほしいものである。強い姿勢を示すのに、相手の名前を呼びまちがえては様にならない。

 <ライター・綾路すみ>



Amazon.co.jp : ティーパーティ に関連する商品
  • 林原めぐみさんのシングル『集結の運命』がオリコン6位(7月29日)
  • 平成版:はだしのゲ○ 萌えツインテール少女がキレる(7月29日)
  • セク○ス中にまさかの人体発火。(7月29日)
  • Wii朧村正より『百姫』のフィギュアがアルターより発売(7月29日)
  • 人生の終着駅ヤフオクで『「TVアニメけいおん」第2期放送開始記念乗車券・入場券セット』が大量転売(7月29日)
  • Yahoo!ブックマーク  Googleブックマーク  はてなブックマーク  POOKMARKに登録  livedoorClip  del.icio.us  newsing  FC2  Technorati  ニフティクリップ  iza  Choix  Flog  Buzzurl  Twitter  GoogleBuzz
    新着ニュース30件