暑さに茹だったのか身体の調子が悪い。腹は下す、吐き気は催す、はっきり言って最悪だ。駆けつけ三杯の日本酒が悪かったのか、放置しておいた水を飲んだのが悪かったのか。何にせよ、皆々様はご自愛いたしますように。
水木イズム第六十四回目。そろそろ完走が見えて来つつある。ゲゲゲの女房は第二子誕生を寸前。果たしてどうなるのか。前回は沖縄の代表的妖怪「キジムナー」についての講釈をさせていただいた。今回はゲゲゲの鬼太郎にのみ登場する妖怪について講釈をさせていただこう。そんな今回紹介するブロンズ像はこちら。
これが妖怪「丸毛」である。頭上の小銭の五円玉が盗まれてしまったことで一時騒然となった。全く持って心ない人間が居るもので、人のものを盗むような輩は手に目を生やして鬼となってしまえばいいのである。
さて、今回は手の目ではなく丸毛の話である。丸毛。頭上に口を生やし貯金箱のふりをして金を貯める妖怪だ。ある程度、金が貯まればその家を出て行くという。座敷童子的一面があるようにも思われるが別段富も厄も呼び込むということはないようである。
毛の妖怪というのはそれなりに居る。それは髪には命が宿るという信仰があるからだろう。髪は女の命ともいうし、毛を織り込んだ人形を使って呪いをかける鬼道もこの世にはあるとされている。それほどまでに毛というのは命の一部なのである。
これは毛が己の意志とは関係なく伸びるところから来ているのではと見られている。つまり、独自の意志を持ってもおかしくない存在であると考えられているのだ。また、独自の魂を持ち生きている存在と見られているといっても過言ではないかも知れない。
毛が其処までのモチーフを有しているので、毛の妖怪は多いのである。丸毛もそうした毛のモチーフより生まれ出でた存在の一つなのだろう。
ゲゲゲの鬼太郎自体の中でも毛は妖力の源であるという表現が現れる。鬼太郎自身、髪の毛針を主戦力としているところからも、毛の重要性が見て取れるのではないだろうか。毛は大事なのである。だからこそ人びとはカツラという仮初めの毛を用いてまで、毛があるように見せかけるのではないだろうか。
未だ紹介してはいないが毛羽毛現という妖怪もいる。この妖怪に関してはいずれ紹介させていただくので楽しみにしておいていただきたい。
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水木イズム バックナンバー
第五十九回 「砂かけ婆」第六十回 「うわん」第六十一回 「手長足長」第六十二回 「すっぽんの幽霊」第六十三回 「キジムナー」