電車で靴のまま座席に登る子どもを見た。年若く、これに対して叱りつけることも出来ないのでただ傍観するしかなかった。親は子の躾をせねばならない。それは子のためである。怒るのが可哀想という方も居られる。しかし、躾もされずに育った子どもこそが一番可哀想な子どもなのではないだろうか。
水木イズム第六十三回。前回は動物霊である「すっぽんの幽霊」についての講釈をさせていただいた。今回は以前、紹介すると予告していた妖怪について講釈させていただく。そんな今回紹介するブロンズ像はこちら。
沖縄の代表的な妖怪「キジムナー」である。ガジュマルという捻れ回った樹木が沖縄には分布しているのだが、そのガジュマルの古木に宿る木の精がこのキジムナーであるとされる。沖縄の各地でその民話が残されており、赤髪の子どもや全身赤の子どもとして伝わる。体長120cm程度ではないかと推測することが出来る。
人間と似たような文化を形成しているとされ、性別がある。大人になれば結婚もするし、人間と結婚したという話もある。好物は魚。それも目玉をこよなく愛しており、目玉のない魚を見たら、それはキジムナーの食い残しであると見て間違いはないそうだ。
沖縄の座敷童子であるという一面もある。キジムナーが気に入った家は栄え、嫌いになった家は滅びるとされるからである。漁を手伝ってくれることもある。キジムナーはとても漁が得意なのだそうだ。
他にも、悪戯を仕掛けてくることもある。迫害などをすれば祟りを為すなど、和魂と荒魂を持ち合わせた存在である。山童の中には人間の山の仕事を手伝ったものもいるという。キジムナーはそれの海verという見方も出来るのかもしれない。
山童は実在する山の民との故事も伝承に含まれているのではと言われている。もしや、キジムナーもそうした海の民との故事が伝承に含まれているのではないだろうか。赤髪といえば朝鮮半島から日本に移民してきたとされる民族にそのような身体的特徴のものが居たという説もある。
それらは吉備伝説の鬼とされた人びとに見られる特徴である。もしかしたら、キジムナーと吉備の鬼は同民族だったりするのだろうか。これはなんとなくなので聞き流す程度でよいが、調べている学者の方は居られないのだろうか。
妖怪の中にはそう言った他民族との交流をぼやかしたものもあるのだ。
*********************************************
水木イズム バックナンバー
第五十八回 「竜」第五十九回 「砂かけ婆」第六十回 「うわん」第六十一回 「手長足長」第六十二回 「すっぽんの幽霊」