
人間という生命体は、何らかの欲求を禁じられる事に耐えられない構造を示している。禁じられた欲求は必然的に別の形で発散される事となるが、それをどのような形に誘導するのかが、重要な社会学・心理学観点の命題と言えよう。ウォルト・ディズニーはこう語る。
「子供たちをトラブルから遠ざける方法は、何かに興味を持たせることだ。子供たちに講義などしても、非行の何の答えにもならない。牧師の説教も子供たちをトラブルから引き離せないだろう。可能なのは、子供たちの心を何かに没頭させることだ。」――
14日、昨年9月に発売された人気RPGゲームシリーズ最新作、オンライン仕様の『ファイナルファンタジー14』について、製作元のスクエニHDが11月下旬~12月上旬から月額課金を開始すると発表した。
同作品は発売前まで国内外のファンらから大きな注目と期待を集めていたゲームパッケージであったが、借り入れ資金返済や決算期に間に合わせる形で発売を急ぎ、ゲーム内容や機能性に大きな欠陥があった事からユーザーらの大酷評を買ってしまった。結果として月額課金計画は見直され、無料期間が続いている。
大規模な加筆・修正などがプログラムに加えられている今、ようやく元来のビジネスモデルに戻そうとする同社。ただしアマゾン公式サイト上のユーザーレビュー評価は依然として低い状況だ。尚、同社は同ソフトのPS3版発売も計画していたが、こちらは当初予定から2年遅れた2013年1月以降の発表を目指すという。
かつて子どもたちを熱烈に没頭させた、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーのRPG世界。たった数ビットの機器、そして数メガバイト(高画質画像1枚程度)に過ぎなかった小さなシリコンの集積回路が、我々をあまりに壮大な世界へと誘ってくれた。
あれからわずか30年余りで、仮想現実世界の構築へと着実に歩みを進めているゲーム文化。しかしそうした進化の鎧を脱ぎ捨ててみた時、その根底にあるのは、あくまで画像1枚程度で十分に凝縮出来るストーリーであり、キャラクターであり、システムなのである。
技術を抜きにした世界観(そのゲームが何をゴールとして目指すのか)をうまく構築出来なければ、没頭への再起は不発に終わるに違いない。
【記事:G・JoeⅡ】